流祖 山根翠堂(1893~1966年)

真生流は昭和2年、流祖・山根翠堂によって創流されました。
従来の型にはまったいけばなを廃し、「自由花こそが本当のいけばなであると同時に芸術だ」と論じ、いけばな芸術論を展開しました。

華道史上では、いわゆる自由花運動の先駆者として位置づけられています。
戦前は阪神の西宮市に建てた真生みどり会館を根拠地として、幅広く活躍しました。
戦後、奈良・春日神苑に隣接した土地に家元道場・翠山荘を造り、線の美しさを生かした明快優美な作風を確立しました。そして何よりも花を通して精神を高め、豊かな心から生まれるいけばなを理想としました。

昭和53年、山根由美が二代目家元を継承(平成19年に父・山根有三 二代家元追贈により三代家元となる)しました。流祖のいけばな精神を受け継ぎ、若々しく女性らしい感性で真生流の特徴をさらに発展させ今日に至っております。
 

流祖 山根翠堂作品  撮影:山根翠堂

二代目家元 山根有三(1919~2001年)

流祖・山根翠堂の長男として大阪に生まれる。美術史家。東京帝国大学・大学院卒業。神戸大学文学部助教授を経て、東京大学文学部美術史教授となり、退官後名誉教授。

近世初期の長谷川等伯、俵屋宗達、尾形光琳など琳派の研究が専門。画家の伝記的研究に努め、長く美術誌『國華』の主幹を務めた。

1986年紫綬褒章。1994年叙勲三等授旭日中綬章。1998年朝日賞。2000年文化功労者受賞。叙勲二等瑞宝章。
 

著書
『山根有三著作集』 全7巻  中央公論美術出版
『宗達』 日本経済新聞社
『智積院』 中央公論美術出版
『宗達と光琳』 小学館
『琳派名品百選』 日本経済新聞社
『私の履歴書』 小学館スクウェア

山根有三 編
『琳派絵画全集』 全5巻 日本経済新聞社